気持ちが晴れている時は、小さくても普段と違うことをしたくなるもので、今日もそういう日だった。

 

 

 

 

量販店の入り口で獲物を常々探しているティッシュ配りのお姉さん。


いかにもなギラギラの雰囲気があるのでいつもはそもそも受け取らないし、受け取るにしても忙しそうな素振りで乗り切るのだが。だれかと話すことも少なくなったせいか、興味本位でそれに乗っかりたくなるのだ。

 

案の定、怪しさに満ち満ちたセールストークが始まる。「高校生?」と聞かれ、笑ってしまったり、思ったよりもリラックスしたトーンで場が進むので、(やはりプロだな、ここで人の気をよくするのか)などと考えているうちに話が猛スピードで進み、とうとう会話に追いつけなくなってしまった。

 

そのうちモバイルwifiルーターを突然手渡されたり、無料でpcやタブレットが!などと宣いながらより怪しい方向へ進んでいく。
しかし情けないことに結局なんのこっちゃで、終始(?)の顔をしているとよほどの馬鹿だと思われたのか「周りの人にも勧めてみてね!」というような話で締められてしまった。そっちが諦めることあるんだ。



大学の時間が終わってからどうも全てにおいて話題が乏しい。

 

それはこのウィルス蔓延のこともあるし、友人たちが上京しすぐに会えなくなったとか色々な要因があるが。如何にあの頃、すごいスピードで思い出が量産されていっていたのかを今頃になって実感してしまう(だからこんなセールストークなどをさぞ思い出のようにブログに綴ってしまうのかもしれない)。

 

これまで卒業というのは、コミュニティを抜け、同時に新しいコミュニティへ属する、ある種そういうことだったが、自分はそれが途切れてしまった。今までのような、だれかが毎日遊びに誘ってくれたり、勝手に集まって出かけるような環境はない。

 

これから先、ずっと学生時代のような、「毎日思い出が山のようにふえていく」状況は訪れないのではないか、とすごく恐ろしい。

 

 

そうこう考えてるうちに、誕生日から一ヶ月が経った。あと11回これをやればまたひとつ歳をとる。6年間も3年間も4年間も、どれも短かったが、これから先はもっと短くなるんじゃないか。

 

明るい記事のはずだったが、考えだすとこういう不安はいつもそばにある。
おれはこれが怖くてたまらないな。