久々に、こうしてパソコンの前にどっしりと構えて文字を打つ。

 

 

 

こころが疲弊していると、ただ文を書き連ねることが全くをもってできなくなる。

今回はただの記録。

 

 

おもえば7月は怒涛だった。

そのほとんどは制作によるものだが、これまで完全に自粛のムードに消えていったイベントなどが少しずつ再開してきたことにもよる。自身のバンドに限った話ではないが、3月のライブを終えて以降はめっきり活動が減った。メンバー全員、進学や就職など新しい環境が始まったこともあり、忙殺されるだけの日々がつづいた。

 

7月のなかば、チェックメイトリベンジが行われた。本来であれば3月に立っていたロッツのステージに、4か月越しに立った。

正直なことを言えば、12月のオーディションで出場権を勝ち取ったときのあの感動と雰囲気はもうすでに途切れていた。学生最後の大舞台になる筈だったあのステージはもう訪れないのだし、活動に穴があいていたことや単純な忙しさもあり、意欲的には確実に3月当時より下がっていた。

 

ただ、やはり記憶というのは案外単純なことでよみがえるもので、開演していくつかの演奏を聴いていくうちに、徐々に気持ちは高まっていった。大舞台ほどあっという間に終わるもので、演奏していた時のことをあまり覚えていないけれど、久々に人のいるフロアでなるギターの音は間違いなく美しかった。

勿論、オーディションの感動を途切れさせぬまま、同級生たちに見守られながら満員のロッツで演奏したかった後悔はいつまでも薄れないが、それはいくら言っても仕方ない。誰が悪いわけでもないし。

いずれ落ち着いてきたら、上京したみんなにまたお披露目できたらな、と思う。

 

 

1日には、海の家でのDJ/ライブイベントに参加した。音楽でなく、絵での参加だ。ライブペイントという名前で絵を描いた経験は殆どなかったので、初ライブペイントと言って過言でない。

これは自分のなかで大きな経験になった。アトリエに籠って、考えながら一手一手いれていくのとは、感覚も工程も全く違うように思えた。(自分のスタイルが完全に確立していればもしかしたら全く同じ作り方になるのかもしれないが)

 

わからないなりに、探り探りに、やはりライブであることに重きをおいて描いた。

作品の完成度を追うのであれば、それより前に構想を練って練習し、会場で描けばいいだけの話だが、それはアトリエでもできる。画材も題材も決めないまま、とりあえず海へ向かった。

 

前日までの雨季など見間違いだったかのように、空は夏だった。

 

何年も海で泳いだりなどなかったので、人が水着で砂浜を闊歩している光景が、異国の文化のようにまで思えた。海の家など、小学生ぶりだ。

その日その場所の風景、匂い、立ち寄った場所、ふれたものすべてに絵が影響されていくのが新鮮だった。時間が限られているし、開始時間まで絵のことを何も考えていないので、その日の出来事ばかりで絵は構成されていく。これがライブペイントか、と直感的に思った。

 

周囲からも好評だった。長らく絵を描いてきたが、作業風景を見られることも、その場で感想をきくことも殆どないので面白かった。まして最近はずっとインターネットでの作品発表ばかりだったので、生の声が聞けるというのはモチベーションの維持という面でもメリットだなと思った。

 

 

もうじき、またひとつ歳をとる。

先はあんまり見えないし嬉しい気持ちなんか殆どないけれど、なんとか今年も新しい経験を沢山しながら物を生み出せていることに喜びはある。何歳になっても、作品は残り続ける。年齢を気負いすぎずに、明日もなにかつくれるかな。

むずかしいかもだけど、ふつうに、そうであれたらいいな